[世田谷] 「コバルトブルーだな」 熨斗蘭(ノシラン)の実

熨斗蘭 (のしらん)の青い実 BLOG

 2月某日、もうマフラーを巻いている首元が暑いくらいで、春の兆しを感じる陽気の日曜日。
 散歩コースにしている緑道に桃の花が咲きだし、可愛いなと思って眺めていると、前方から歩いてきた初老のご夫婦が叢を覗き込むようにしている。ご主人の方が「コバルトブルーだな」と感心するように言ってご夫婦は歩き去っていった。

 ご夫婦が覗き込んでいた叢を見てみると、鮮やかな青い小さな実が沢山生っている。後で調べてみたところ、白い花を咲かせる熨斗蘭(ノシラン)の実だそうな。

 熨斗蘭の花ってどんな花だっけ?とさらに調べてみると、こんな花でした。

 熨斗蘭(ノシラン)の花の写真を見て、そういえば緑道にせりだすように長い草と白い花が咲いていたのを思い出した。あの白い花とこんなに鮮やかな青い実が同じ植物だとは驚きである。
 好奇心で実の中身が気になり、1つだけコートのポケットに入れて持ち帰り、家で実の皮をむいてみたのが右上の写真だ。ジューシーな青色の液がピュッと出てくることはなく、皮の下は白い花を想像させる白くて硬い実。これは種子(タネ)だそうだ。 

 さらに好奇心の赴くままネットで調べてみると、熨斗蘭はジャノヒゲ(蛇の髭)、タマリュウ(玉竜)、リュウノヒゲ(龍の髭)等と別名を持つとのこと。なるほど、草が長く伸びる様は龍の髭を連想させる。また、白い種子については「種子はとてもよく弾むため、床に投げるとスーパーボールのように跳ね上がります」という記述もあり、実際やってみたらその通りよく弾むこと!

 その他、根を天日乾燥させたものが「麦門冬(ばくもんとう)」と呼ばれる生薬になることや、長い葉は常緑性多年草で丈夫なため都会の緑化計画にも利用されている等、なんと色んなところで大活躍中であることを知ることになった。

 最後に、花が咲く時期よりも実が成っている時期の方が長いため、実の色の変化を楽しむのが観賞の一つのポイントだそう。この青い実、実は最初は緑色で、やがて青、さらに紺を色を深くしてゆく。
 ずっと名知らずで過ごしてきた植物だが、これからは季節ごとに変化してゆく姿を楽しんでみたいと思う。

 参考・引用元
リュウノヒゲ(龍のひげ)とはどんな植物?葉の特徴や品種・種類を紹介!
季節の花300 熨斗蘭 (のしらん)