8月某日、地球の上の東京のあたりはこの1週間ほど曇りが続き、いくらか気温が下がって過ごしやすい。夏バテ感いっぱいだった体も心もおかげで修復されたようだ。
そこで、先日のリベンジもあり、駅周辺の景観を楽しむために東京駅に行ってきた。
東京駅周辺には『天地創造』(※)を始めとして沢山のパブリックアートがあり、一度に全てを観てまわるのは難しい。そのため、今後何度に分けて観てまわる予定だ。
今回は八重洲口付近、丸の内口付近の、それぞれ駅から徒歩10分以内にあるパブリックアートを観てきたが、この記事では八重洲口付近のパブリックアートを中心に取り上げる。(丸の内付近の記事は後日公開予定)
グランルーフ(2013 ヘルムート・ヤーン)
駅から続く商業施設とそこから伸びる白い屋根が船みたいだなと思っていたら、デザインコンセプトは「光に包まれるクリスタルの塔と光の帆」だという。光の帆を広げる大きな船。詩的で未来への推進力を感じさせるコンセプトだ。
グランルーフ(※)を手がけたのは世界的建築家ヘルムート・ヤーン。建築に興味のある方は、下のリンク先から詳細を読んでみることをおススメする。環境への取り組みも行われているようだ。
参考: 八重洲グランルーフ|Tokyo Station City
※グランルーフはグランルーフ フロント(レストランやカフェ等が並ぶエリア)とあわせて、この2023年7月からグランスタ八重洲へ名称変更されている。
YANMAR TOKYO(2022)
農機具メーカーYANMARのビル『YANMAR TOKYO』。パブリックアートではないが、個人的にすごく好きな建物なので取り上げてみた。建物の側面に稲を模したと思われる(たぶん)芝が植えられ、どこかユニークな外観のビル。1階ショールーム内に展示されている赤いトラクターも可愛くて目をひく。
ビルの中にはレストランやお店の他、お米ギャラリーや、ヤンマーが掲げる価値観HANASAKA(ハナサカ)を体現する人やその活動を紹介する映像や展示物があるとのこと。これは入ってみる価値がありそうだ。
参考: ヤンマー (yanmar.com)
STAR(2022 吉岡 徳仁)
東京ミッドタウン八重洲の外堀通り側に設置された吉岡徳仁さんの『STAR』。吉岡徳仁さんは国際的に評価を受けているアーティストで、東京オリンピック2020のリレートーチも手がけている。
10mに及ぶこの巨大な彫刻は、まるで結晶化するように、ステンレスミラーのロッドを集結させ、輝きを放つ“光の彫刻”を生み出しています。
8角形に型どられた、2000を超えるステンレスミラーのロッドは、太陽の光をランダムに反射し環境と一体化することで、日中には太陽光を反射し、夕日の中では美しい琥珀色に、また夜景の光をも映し出すことで、多様に輝きが変化する彫刻です。
この光輝く一つ星には、世界が一つになるよう、平和への願いが込められています。
引用元:STAR | WORKS | 吉岡徳仁デザイン事務所 – TOKUJIN YOSHIOKA
作品の説明を読むと、夕日の中や別の季節の中でどんなふうに輝きを変化させるのか見てみたくなる。特にクリスマスの頃はどんなだろうか。
Mountain range(2022 栗林 隆)
下の写真は八重洲セントラルタワーに設置されている栗林隆さんの『Mountain range』(=山脈)。街中の人工マウンテンだ。
きっとこういうのは子どもだけではなく、大人も大好きだ。見ていると、ビルの下の通路を通る9割の人がマウンテンの間を通り抜けてゆく。
栗林隆さんは現代美術家で、東西に分断されていた歴史を持つドイツに滞在していた影響もあり、「境界」をテーマに制作を続けているという。
参考元:栗林隆 – Wikipedia
もしかすると、この人工マウンテンには私には計り知れない意図があるのかもしれない…。
が、それはさておき、眺めていて楽しいアートだ。アートは気楽に楽しんでいこう。
八重洲口周辺を歩いてみて、駅も街も機能的なだけではなく、美しくあることが大切だとしみじみ感じた。そして、自然と調和がとれていること。
美しい景観の中を歩いていると、心も整い、インスピレーションももらえる。
今回撮影できた東京駅のパブリックアートのほとんどは最近できたものだが、次回訪れる際は古くからあるパブリックアートにも目を向けていきたいと思う。
(同日撮影分の丸の内口編は近日公開予定)
※ステンドグラス『天地創造』:公益財団法人日本交通文化協会が展開してきたパブリックアート事業の原点となる作品。
原画・監修:福沢一郎
JR東京駅 ベイロード(京葉線連絡通路)壁面 1972年10月完成。
パブリックアート|東京駅 「天地創造」(福沢一郎)|日本交通文化協会 (jptca.org)