8月下旬の某日、地球の上の東京のあたりは連日の猛暑。外を歩いていると、巨大なドライヤーを空からあてられているような気分だ。言っても涼しくなるわけではないのに暑い、暑い、暑いとばかり呟いてしまう。
パーマヘアのセットもこの日はめんどくさく、黒ゴムでガシっと後ろに束ねて駅前まで買い物に出ていた。顔や首のあたりにかかる髪の毛がこの暑さでうるさくてたまらない。
駅前で何度目かの熱風に晒された瞬間、「この暑さ、もう堪えられない!」と心の中で叫び、急に髪を切りたくなってホットペッパービューティーで調べると、駅前の美容室『CANNES』で以前指名していた美容師さんの枠が1コマだけ空いていた。
いつも忙しい美容師さんなので、当日予約は無理だろうと思っていたからラッキーだ。
1年と少し間をあけてお店を訪れると、指名の美容師さんがフル回転で接客していて、そんな中でも笑顔で出迎えてくれた。
「久しぶりですね!予約をみて、幻かー?と思っちゃいました(笑) また来てくれて嬉しいです!」と本当に嬉しそうに言うから、こちらも嬉しい。
お店には3か月に1度、私にしてはマメに通っていたのだが、昨年ヒーリングクライシスというべき期間に沼のようにはまり、何をするにも億劫になりがちで、お店からも足が遠のいていたのだった。
美容師さんは相変わらずのセンスのよさといっそうのホスピタリティで、私のヒーリングクライシスからの復活劇をおもしろそうに聞きながら、魔法のように髪を素敵に整えてくれた。
空いていた1枠を私が抑えたせいで、休憩をとる間もなさそうだったが「ヒマになると集中力と途切れてかえって疲れるので、(お客さんが)重なってるくらいがいいんです」だとか。
さすが、できる美容師はちがう!




以前このブログに書いたようにお店のコンセプトは映画で、店名「CANNES」はカンヌ映画祭のCANNESからとったもの。センスのよいおしゃれな空間はさほど広くないものの、自由で楽しげなスピリッツが感じられて心地がいい。
この日、シャンプー台で洗髪してくれた若い女性スタッフさんはきれいなピンク色の髪をしていて、明るくて楽しそうだった。
個性に富んだBE@RBRICK(ベアブリック)のフィギュアたちも健在だった。フロントには「CANNES」と「WEMBLEY」のステッカーがあり、可愛かったのでいただいてきた。
ちなみに、「CANNES」が映画なら、「WEMBLEY」はサッカーの聖地 英国 WEMBLEYスタジアムからきていて、HPを見ると、スポーツバーを意識したおしゃれで心地よいお店のようだ。
手入れのしやすい、セミロングのパーマヘアにしてもらい、美容師さんにお礼を伝えて店を出た。
外は夕方になっていて、まだ蒸し蒸しとして暑いことは変わらなかったが、首元にかかる髪が軽くなって吹き抜ける風が心地よく感じる。
このお店から帰る時の気分はいつも最高にハッピーで、世の中には色んな種類の魔法を使う人がいるが、あの美容師さんも魔法使いの一人なんだと思う。髪を通して人を素敵な気分にさせる魔法使い。
連日の猛暑や環境の変化による疲れも、髪を整えたことですっきりと浄化されて気分も軽い。家路につく足取りも軽い。
そうだ、髪を切るって一番のリフレッシュだったよなあと思い出す。
これを読んでいるあなたのそばにも、きっとそんな魔法使いや魔法の場所があるはず。気分を一新したい時、あなたはどんな魔法を頼りますか?
かくいう私も、クリエイティブを通して世界をより鮮やかにみせる魔法使いでいたいと思う。
美容師のお兄さんに負けないよう、私も日々の制作で魔法を磨き続けたい。
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